たぶんホームページ >  ととろお三籟日記
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Thursday 16 December, 2004

 私が経験したネット通販でのトラブルの話題。


 私自身、ネット通販の利用頻度はそんなに低くないと思うのだけれど、トラブルに遭遇したことはたった1度しかない。そのトラブルもネット通販だから起きたことではなく、別のトラブルが原因だと思う。だから、個人的にはネット通販の危険性を承知しつつも、気をつけて利用すれば、本当に便利なシステムだからと多くの人に推奨したいくらいに思っている。


 私が経験したトラブルは「発注した高価な古本が届かなかった」というものだ。その本は日本では入手がほぼ不可能で、原著はドイツ語。けれどドイツ語の本を買っても読むのが(えらい)めんどくさいので、不精者根性まるだしで(てへ^^)、とりあえず英訳本を買って読むことにして、Amazon.com で探して見つけた。


 今になって考えてみれば、そもそもは船便で送ってもらうようにしてしまったことが間違いだったのかもしれない。確かに船便だと時間はかかるけれど、でも、銀座で楽譜などの取り寄せを頼んでも、船便で1カ月以上待つのは普通だし、Amazon.com を介して頼んだ本についても、どうしても欲しいけれど、大急ぎで必要としているものではないから、船便でいいと思ったのだ。


(つづく)


Thursday 05 February, 2004

 先日、ある人と話をしていて、「何字くらいの漢字を知っている?」と質問された。義務教育で何字くらい教えるのかも知らない(=覚えてない)し、だいたいどれくらいの漢字が読めれば不自由しないものなのかも見当がつかなかった。で、とりあえずは思いつきで、「1000か3000か、もっとかなあ。読むだけだったら1万くらいかも? いや、やっぱりわからない」うんぬんかんぬん~。


 ということで、調べてみた。


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古事記 = 約 1600 字
万葉集 = 約 2600 字


当用漢字(1946年) = 1850 字(うち881は教育漢字)


常用漢字(1981年) = 1945 字
 (高等学校で常用漢字のすべての音訓が読めて、すべてが書けること)


旧学制時代の義務教育 6 年間 = 約 1360 字
教育漢字(1948年) = 881 字 (義務教育 9 年間)
教育漢字(1958年) = 同上  (義務教育 6 年間)
教育漢字(1968年) = 996 字 (義務教育 6 年間)


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 ある百科事典の項目には「およそ3000字が読めれば新聞や本を読むのに支障がないだろう」と書かれていた。これが「多い」のか「少ない」のかも判断がつかない。漢字で構成されている古事記や万葉集がわずか約1600字・約2600字で成り立っているというのにも驚きだった。(使われている漢字の種類はもっと多いような気がするだけに。見た目はほとんどお経と一緒だし)


 「漢字能力検定」について解説していたあるホームページ(漢検の公式サイトではない)には、目安としてこんな数字が書かれていた。


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・1級(大学卒業程度)


 常用漢字を含めた約6,000字の漢字の音訓を理解。
 文章の中で適切に使える。(対象漢字:約6,000字)


・準1級(短大卒業程度)


  常用漢字を含めた約3,000字の音訓を理解。
  文章の中で適切に使える。(対象漢字:約3,000字)


・2級(高校卒業程度)


  小学校・中学校・高等学校で習った全ての常用漢字と人名用漢字の読み。


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 ちなみに、昨夜メールで高僧(という名前の友人。もちろん本名ではない)に問い合わせてみたら、やっぱりそんなことは考えたことがないが、ざっと見積もって、およそ1万くらいは読めて、意味がわかるのはそのうち7000くらいではないかと思う、という返事がきた。
  (注:高僧は某社の漢和辞典を編集した人)


 漢和辞典を作った人が1万と言っているのだから、そもそも漢文や漢字が苦手な私が1万も読めるわけはないだろうなあと思った。漢検のホームページに出ている1級の問題例の内容はなかなか高度なものだなと思える。だから、上に紹介した1級=大学卒業程度という目安は一種の「理想」みたいなものじゃなかろうかとも。そう思えるのは私の「漢字力」が情けないものだからなのかもしれないけれど。…とほほ^^。


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■漢検の公式サイト
財団法人 日本漢字能力検定協会
http://www.kanken.or.jp/


Monday 26 January, 2004

 「殺された者の衣服(robe)をはぎとる」…素朴な疑問。この被害者は robe の略奪者によって殺されたのであろうか? それとも、既に何らかの事情によって殺されていた(あるいは「死んでいた」)のであろうか? 略奪者は殺人を行って後、略奪行為に及んだのか? 略奪目的で殺害したのか? もしくは殺害したので、ことのついでに略奪も行ったのか? はたまた、テナルディエのごとき野戦場での盗っ人のように、盗っ人本人にはいたって好都合なことに、価値あるものを身につけたまま野ざらしの遺骸として放置されていたものであろうか? 略奪者もしくは殺人者は略奪もしくは殺害しての略奪が日常なのであろうか? それが生業なのであろうか?


 そもそも、日本語で「追いはぎ」と言えば、どこぞで待ち伏せをして、通りがかった誰かに「やい、命が惜しくば身ぐるみはいで置いていけ」などとぬかして、衣服から荷物、はては馬までも(?)略奪する連中のことだと思うが、彼らは人殺しまでするものなのだろうか? 略奪目的での殺人となると、「追いはぎ」とは言わないようにも思うのだが、代わりの言葉を思いつかない…。うー^^。


 などと、どうでもいいことを考えてみる…。


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ちなみに、最近お気に入りのミステリー → 「ジェシカおばさんの事件簿」
(どこかに書いている人もいるが、ミス・マープルのパロディのようなドラマ)


Sunday 25 January, 2004

 英語の rob [略奪する]の語源の話。


 手許の英和辞典によれば、この言葉の語源は古いフランス語の rober で、さらにその語源は同じくフランス語の robe から来ているという。 robe とは日本語でもローブと呼ばれる衣服の一種。「式服、礼服、官服、僧服、婦人のドレスなどを指す」と、あれこれの辞書には書いてある。「殺された者の衣服(robe)をはぎとる」という行為から、略奪行為を意味する rober [F] / rob [E] という語が派生した、とも辞書にあった。もし、略奪の対象が何か別の特定のもの(刀とか、鎧、馬具)だったら、その名前から略奪を意味する動詞が派生したのだろうか?


 思い出すのはお正月にNHKで放送していた「レ・ミゼラブル」のテレビドラマだ。かつてワーテルロー(ウォータールー)の戦いに参加したテナルディエ軍曹。彼が戦場で夜な夜な行っていたのは戦死者からの略奪。応仁の乱や戦国時代、関が原を描いた日本の物語にも、戦場での戦死者からの略奪行為は描かれていた(ような、かすかな記憶が…)。オンライン辞書の http://www.freedict.com/ で英語 robe を意味する日本語を調べてみると、


  ancient ceremonial court robe : hitatare
  imperial robes : konryou
  linen robe : asagoromo, mai
  long outer robe : uchikake
  priest's black robe : sumizomegoromo, sumizomenokoromo


などという日本語がヒットしたので驚いた。ヒタタレ…古語の世界^^。イメージは一気に1000年ほど昔へと飛びさすらう。そうして思い出すのは芥川が描いた「羅生門」での出来事か。



なお、


  imperial robes : konryou


とは、「袞竜の御衣(こんりょうのぎょい)」のことらしい。天皇が用いた礼服。孝明天皇の即位の時まで用いられたものだそうだ。


 手許にある現代フランス語の辞書の robe 周辺には「略奪」を意味するような言葉は見当たらなかったし、ドイツ語の辞書にも見つからなかったが(衣服のローブを意味する Robe はあった)、ふとひらめいて、オンラインでゲール語の辞書を調べてみたら、同系の robair(英語の robber 追いはぎ)が見つかった。どの辞書にも、この不名誉な言葉と Robert(シューマン先生の名前)が並んでいるのがなんとなくいやなのだけれど…^^。



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オンライン辞書(英⇔仏、英⇔日)
http://www.freedict.com/


オンライン辞書(ゲール語→英)
http://www.sst.ph.ic.ac.uk/angus/Faclair/


芥川竜之介「羅生門」(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/card128.html


Wednesday 26 June, 2002

※過去の「青空日記」から移植した記事です。

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■ 2002年6月26日(水)


藤沢周平 『秘太刀馬の骨』
(文春文庫、318p、1995)

 時代小説。「藤沢氏の本がおもしろい」と人にすすめられて読んだもの。「どの本を」とは特に言われなかったので、ちょっと調べてみたら、藤沢氏には70冊近くも著書があり、何を読んだらいいのか困ってしまった。推薦者に「どの本を?」ときいたところ、「どの本でも」ということだったので(もう少し正確には「手に取った本ならどれでも!」ということだったのだが)、図書館に行って、本当にあてずっぽうに、背表紙から放たれている「後光」を頼りに見極めて(?)借り出した本がこれだった。結論だけ先に言うと、興味深く、おもしろい本だった。

 いつの時代のどこの藩が舞台なのか、そうしたことは明らかにされていないのだけれど、まあ、江戸時代のいつか、東北地方のどこかの小藩が舞台ということは、時々、東北の言葉らしきものが登場するので、読んでいるうちにそれとなくわかる。タイトルだけ見た時は、「『秘太刀馬の骨』って何だろう? 馬の骨で作られた秘密の刀? その刀が次々と人を殺してゆく猟奇事件(辻斬り)を描いた小説かな?」とか、そんなトンチンカンなことまで考えていた。

 「馬の骨」というのは刀剣の名前ではなく、剣術の「技」の名前だった。それも、ある流派の奥義中の奥義として伝えられてきた、門外不出の「技」のことだ。その「技」が「馬の骨」という名前で呼ばれるようになった由来は物語の中で昔語りのうちに明かされる。その由来そのものが物語としておもしろい。

 「馬の骨」という「技」を使って、かつて家老を暗殺したのは誰だったのか。この「技」を伝えられた剣術使いとはそもそも誰なのか。家老に命じられた家老の甥(石橋銀次郎)と主人公(浅沼半十郎)が、「馬の骨」を奥義として伝えている不伝流の高弟たちの中から、「馬の骨」の使い手を探すことが小説の中で語られている。その探索の仕方がなかなか挑戦的だ。探索を命じられた銀次郎(これもなかなかの剣の使い手)は不伝流の高弟たちそれぞれに試合(というより、ほとんど「決闘」)を挑む。ところが不伝流は他流試合を禁じているので、高弟たちはそうやすやすとは銀次郎の誘いに乗らない。そこで銀次郎は高弟たちそれぞれの弱みを握り、それをネタに脅しをかけて試合を挑みかける。

 ごく平凡な「リーマン侍」にも見える高弟たちにも、人には言えない事情が背後にあること、このあたりの物語が実に巧みでおもしろかった。さらには高弟たちと銀次郎との試合がいずれも個性的で、これもおもしろかった。銀次郎という青年、腕に覚えがあることを鼻にかけており、どうもいやな奴なのだが、物語が進むうちに、その執念深さには「マニア的な匂い」が感じられ、そう、いやなやつという気もしなくなってくるから不思議だった。

 最後には誰が「馬の骨」の使い手か、家老がなぜ「馬の骨」の使い手を探索させたか、そうしたことが明らかにされるのだけれど、それがまるで主人公(半十郎)を探偵役にした推理小説の謎解きのようでおもしろかった。銀次郎と半十郎が対する高弟たちとのエピソード、その1つ1つが短編として独立させてもよいと思えたし、そうした短編が連なって1つの長編小説として成立しているのは、まるでシューベルトやシューマンの連作歌曲集のようでおもしろかった。

 で、主人公の視点とか、作者の、淡々とした中にも人間を描こうとする姿勢に、これが日本の時代小説にもかかわらず、読みながら、なぜかイギリスの中世を舞台にした推理小説、「修道士カドフェル・シリーズ」を思い出した。というわけで、カドフェル・ファンにはすすめたい1冊。


追記) 「修道士カドフェル・シリーズ」は全20巻。私がクリスティより熱烈に推薦する推理小説があるとしたら、それはきっとこのシリーズのことだろう。ヨーロッパ中世の歴史書にも書かれていないような、本当にあったおもしろいエピソードが織り込まれているので、ヨーロッパの中世史ファンなら、いろいろ楽しめるはず。





文藝春秋 (1995/11)
文春文庫




文藝春秋 (1992/12)
単行本

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