index / bottom

ととろお音楽広場

***** 過去ログ 2001.11 *****

投稿してくださったみなさん、ありがとうございました。


[Home] [Schumann] [Schubert]
[BBS Schumann] [BBS Musik]


ウイルスに御用心ください。 投稿者:ととろお 投稿日:Thu 29 Nov 2001 23:21:32 JST
みなさん、こんばんは。

シューマンおたく学会にも投稿しましたが、ウイルスの件です。

この掲示板でウイルスの話題を展開することはしたくありませんが、
うちにもウイルスがきましたので、念のために、こちら をご覧ください。

Re: 孤独ということ(その2) 投稿者:ととろお 投稿日:Tue 27 Nov 2001 08:59:43 JST
(つづき)

それから、日曜のトリフォニーホールはお客さんがすばらしかった
です。曲と曲の間の静寂が、この曲集ではとても大事な時間である
ことをとてもよく理解されていて、いつもの演奏会よりも、はるか
に音がしませんでした。あんなにたくさんの人と一緒に聴いていた
のに、そんな気持ちが少しもしませんでした。

ANTONIEさんにハーディングとの共演によるボストリッジのブリテ
ンを聴いていただきたかったです。ブリテンの歌曲が、やはり詩を
いくつか合わせた歌曲集のような体裁で、全体で1つの大きな物語
を予感させるものでしたから。詩と音楽が融合した「物語」とはど
ういうものか、ブリテンのボストリッジを聴いてとても強く感じる
ことができました。ブリテンの音楽がまたすばらしかったですし
(ハーディングも!)。「冬の旅」もそうですが、CDで聴いてい
たボストリッジとは全然違いました。声はあのCDの声なのですが、
ボストリッジの歌の世界というのは、実際に演奏会で聴かないと、
どれだけそれが特殊なのか、わからないものなのかなと思いました。
ボストリッジがいいとか悪いとか、そういうことではなくて、とに
かく、彼は独特で不思議なのです。やっぱり偉大なるガンダルフの
末裔だと思います。

Re: 孤独ということ(その1) 投稿者:ととろお 投稿日:Tue 27 Nov 2001 08:59:18 JST
ANTONIEさん、おはようございます。

ボストリッジの「冬の旅」にまつらう、すばらしいご感想を教えて
くださって、ありがとうございます。ボストリッジの音楽の特殊性、
それからANTONIEさんの感動の深さ、そうしたことが、同じ演奏会
に行った私にはとてもよく伝わってきました。トリフォニーホール
は大きなホールですから、ボストリッジから離れたところでお聴き
になった方達にはどのように聞こえたのかわかりませんが(私は比
較的前にいましたが、もっと前でもよかったと思ったほどです)、
実に不思議な時間でした。

私もANTONIEさんと同じく、ボストリッジの「冬の旅」はピアノ伴
奏付きの1人芝居のように聴きました。最初は絶望と怒り、特に強
い怒りが強調され、やがてそれは諦めとなり、時には自嘲(この時、
ボストリッジは本当に自嘲的な笑いを浮かべて歌っていました)、
さらには回想、そして再び怒り、絶望、絶望、深い絶望、、、やが
て諦め、、、、生きることは苦痛そのものなのだという諦め。ドレ
イクのピアノ伴奏も、ボストリッジの歌から引き出された物語の持
つ心情をとてもよく表現していたと思います。決して「伴奏」では
ありませんでしたね。最後の曲の「ライアーまわし(辻音楽師)」
で執拗にくり返される同じ音型。(壊れたピアノが奏でるかのよう
な、とてもうつろな音楽。あれは老音楽師が奏でるライアーの音?)
いちばんぞっとしたのが、あのピアノでした。あのピアノの恐ろし
い音楽の周辺を、絶望のあまり心の壊れてしまった、孤独な青年の
影(ボストリッジ)がふわふわと、まるで幽霊のように漂っている、、、
怖い音楽でした。ただ、「怖い」としか言いようがありません。

(つづく)

ロドリーゴ! 投稿者:ととろお 投稿日:Tue 27 Nov 2001 08:13:48 JST
ふちかっぱさん、おはようございます。

広響の演奏会、すばらしかったのですね。
広響の演奏会の雰囲気も伝わってきますが、ふちかっぱさんのご感
動のご様子もよく伝わってきますよ。

> 私は、一番後ろの席に座っていたのですが、
> ものすごく音が響いてきて、びっくりしました。

そういうこと、ありますね。演奏者によるのか、楽器によるのか、
曲によるのか、よくわかりませんが。

ロドリーゴはアランフェスが本当にすばらしい曲ですから(それし
か知らないんです〜)、ほかのコンチェルトもきっとすばらしいの
だろうなあと想像しています。ピアノ・コンチェルト、CDを探し
て聴いてみたいと思います。そういうめずらしい曲を演奏会で聴け
るというのは、すばらしいですね。私は残念ながら、広響の演奏は
テレビでもラジオでも、演奏会でも聴いたことがありませんので、
地方オケシリーズ(というのがトリフォニーホールで毎年あるので
すよ)などの機会があったら聴かせていただきたいと思います。広
響に限らず、広島での演奏会のことなど、また教えてくださいね。

孤独ということ 投稿者:ANTONIE 投稿日:Mon 26 Nov 2001 15:47:55 JST
ととろおさま、こんにちは

昨日はついに念願のイアン・ボストリッジを聴いてまいりました。
丁寧にお教えいただいたおかげですみだトリフォニーホールに迷う
ことなく行き着くことができました。

ダークなフローリングのホールは予想以上にひろく私の席から舞台
のボストリッジを人の頭を避けながら聴くのは昨日覚えた唯一の
苦痛です。

しかし、本当の苦痛はミューラーの詩の中に脈々と流れていま
した。そして、表現者ボストリッジは私の五感にとっては、まさに
冬の旅に出る、絶望した若者そのものでした。姿勢自体、胸を張る
様子もなく歌詞に入れ込んだ彼の一人芝居をみるようでした。
それを支えるドレイクの伴奏は,音質そのものにも憂いを含ませ、
ボストリッジのあの声と調和しています.

愛する人に分かれも告げず旅に出るボストリッジ扮する若者は
深い悩みをたたえながら第1曲の「おやすみ」を語り始めました.
そう第3曲の「凍った涙」のころには、ホールの聴衆はともに冬の
旅にでかけ、私は冷たい涙をこぼしました.その歌声は「水車小屋」
のCDより、暗くそして深く大きなこのホールの隅々まで声量で
なく、声のトーンを使うことによって行き渡らせています.

第6曲の「雪解けの水流」の上行音は陶然とするような美しさ
です。しかし、それは天国的なルプーのモーツアルトでも、梯さん
の澄み切った心の音でもありません.深い深い憂いと別れた恋人への
断ちがたい憧れの気持ちがそうさえるような、ぎりぎりの美しさ
とでも形容しましょうか?

ただ一度の休みもなく気がつけば第22曲。「みちしるべ」は
ついに未知の世界・・・誰も戻ってきたもののない道へと聴衆を
つれていきます。若者の心にかつては息づいていた3つの太陽の
その最後のものさえ、しずみ私の前には「辻音楽師」の奏でる単純
な響が聴こえてきました.ドレイクのピアノが最後の音を放ち鍵盤
から手を下ろした後も24曲の余韻が、ミューラーの詩が、
シューベルトの絶望の調べがこだまします.それがそれぞれの聴衆に
それぞれの人生を思い起こさせ、深く静かな感動をよびました。

リートの世界における詩と音楽と演奏者の共感は、非常に純粋な
形で具象化されたと感じました.それがボストリッジの哲学なのか
共感のみなのか知る由もありませんが、わたしは完全に言葉を失い
ました。ご一緒した学生時代の旧友の話も耳に入らないほどでした.

正直言って、当初はボストリッジの声に身をゆだねることが目的
でした。でも、その目的はかないませんでした。(陶然とするほど
の声であったことを否定するわけではけっしてありません)
彼に自身で考えることを教えられたようなきもちです。

孤独ということを考え、それに身を浸してみなければ自分はみえて
こない。そうだ。そうしてみようなどと想ってしまいました.

おひさしぶりです 投稿者:ふちかっぱ 投稿日:Mon 26 Nov 2001 14:22:41 JST
ととろお様、皆様、こんにちは.
おひさしぶりでございまするーー。

昨日、広島交響楽団の定期演奏会に行ってきました.
今回は、スペインをテーマにした演奏会で、
プログラムは、
1.狂詩曲「スペイン」(シャブリエ)
2.ピアノコンチェルト(ロドリーゴ)
3.「三角帽子」第2組曲(ファリャ)
4.スペイン狂詩曲(ラヴェル)
でした。
指揮者は秋山和慶さんで
ソリストは、ホアキン・アチュカロでした.
ずー−と、ず−っと楽しみにしてたんです.
この演奏会.
アチュカロのピアノも、ロドリーゴのコンチェルトも.
コンチェルト、ほんとにカッコよかったです.
いかにもスペインって感じの、
色彩感あふれる鮮やかな、1,2楽章も
哀しく、せつせつとうったえかけてくる3楽章も
力づよく、気品のある4楽章も、本当に素晴らしかったです.
そして、アチュカロのピアノも、ほんとに素敵でした.
私は、一番後ろの席に座っていたのですが、
ものすごく音が響いてきて、びっくりしました。
でも、「どーだ、まいったか。」という感じの、
人を圧倒するような音楽じゃなくて、
美しくて、「品格」があって、ただひたすら、
「すごー−い」と感激してました.
アンコールは、
スクリャービンの「左手のためのノクターン」でした。
これにも感動.ものすごく優しくて、端正な演奏でした.
「すごいのきいちゃったなあ.」ってかんじです。
もちろん広響の演奏も、
メリハリがきいてて、勢いがあって
あざやかでした。
帰りには、コンチェルトのCDを買い、
アチュカロ氏にサインをしていただきました.
きりりとした、品のいい、素敵なおじいさんでした.

ほんとに、ほんとに素敵な演奏会でした.
では、また。

内田さんのD.568! 投稿者:ととろお 投稿日:Wed 21 Nov 2001 08:40:21 JST
内田さんのD.568の終楽章、感動的です。
この感動をどう言葉にしたらいいのでしょうか。

内田さんの新譜。 投稿者:ととろお 投稿日:Wed 21 Nov 2001 04:41:03 JST
それから、21日発売の内田さんの新譜(ソナタ変ホ長調 D.568、
楽興の時)、既に20日にはショップに入荷しており、都合の良い
ことに、オーチャードホールに行く直前、「予約分が入荷しました」
と渋谷の某ショップからメッセージが入りましたのでハーディング
@ボストリッジを聴きに行く前に引き取ってきました。

まだ1回しか聴いていませんが、横浜で感じられた「慈愛」が変ホ
長調のソナタでまた感じられました。

それに「楽興の時」、、、!!!

第6曲に深く感じ入りました。慈愛あふれる演奏なのに、音楽はと
ても悲しい。音楽には諦めと深い絶望があふれています。それはシュー
ベルトの諦め、絶望なのでしょう。すごいCDを聴いてしまいまし
た。

ボストリッジはガンダルフだった。 投稿者:ととろお 投稿日:Wed 21 Nov 2001 03:58:46 JST
みなさん、こんばんは。

今週はゆっくり投稿している時間がないので、簡単に。

昨夜のハーディング指揮ドイツ・カンマーフィル・ブレーメン、す
ばらしい演奏会でした。ハーディングすばらしかった! ブリテン
のボストリッジにはトリハダが立ちました。ブリテンの偉大さにも
アタマまっしろ状態の感動でした。言葉がうまく見つからないので
すが、ボストリッジは(トールキン描くところの)「ガンダルフ」
だと思いました。土日(もしかしたら月も)にハーディング(ライ
ン)とボストリッジ(冬の旅)を聴きますので、それを聴いてから、
またゆっくり考えたいと思います。(今、ちょっと時間がない)

それにしても、演奏会で聴くボストリッジはCDで聴いたボストリッ
ジとはまるで違うと感じました。とにかく不思議な世界の連続。こ
れをうまく言葉にできないのです。私はボストリッジのブリテンを
聴いて「文学と音楽の融合した魔法」を実感しました。

そして11月19日。 投稿者:ととろお 投稿日:Mon 19 Nov 2001 01:36:41 JST
シューベルトの命日。

日付が変わってから聴いたのはブレンデルの若い頃のVoxのCDです。
「さすらい人」、op.142、リスト編オケ伴奏付「さすらい人」
そして、21日はいよいよ内田さんの新譜発売日ですよ〜。

ノリントン@シュトゥットガルト放響(その2) 投稿者:ととろお 投稿日:Mon 19 Nov 2001 01:34:29 JST
(つづき)

昨日の白眉は前半のメンデルスゾーンだったと思います。「イタリ
ア」という曲想にノリントンの性格が合っているのかなと思いまし
た。明朗快活、すべてが明瞭。それでいて、「見え過ぎること」か
らくる冷たさがない。 むしろ、温かいユーモアがあふれていまし
た。「これは笑いのシンフォニーだ」と思いました。メンデルスゾー
ンが! 笑いのシンフォニー! メンデルスゾーンって、こんなに
愉快な音楽を書いていたんだなあと、とても楽しくなりました。

さて、シューベルトですが、驚くことの多い、たいへんにおもしろ
い演奏でした。また、あのシンフォニーそのものについての新し
い発見もありました。私がもっとも感動したのは第2楽章でした。
とてもクリアな響きで溌剌としていたのに、突然、嵐のようにあた
りは曇り、やがて地獄の黙示録。そこにまた不意に天からの光が差
し込み、救済される、、、と、まるでジェットコースターに乗った
ダンテのような気持ちになりました。最初は「おもしろい演奏だ」
と思っていましたが、最後には引きずり込まれました。

それにしても、アンコールがシューマンとは〜。
シューマン(も)聴けて、よかったです〜(^^ゞ

ノリントン@シュトゥットガルト放響(その1) 投稿者:ととろお 投稿日:Mon 19 Nov 2001 01:34:03 JST
みなさん、こんばんは。

もう昨日になりますが、ノリントン@シュトゥットガルト放送交響
楽団の演奏会を聴いてきました。(サントリーホール@マチネー)

プログラムはヴェーバーの歌劇「オベロン」序曲、メンデルスゾー
ンの交響曲 第4番(「イタリア」)、休憩を挟んでシューベルト
の交響曲 ハ長調 D.944(「ザ・グレイト」)、アンコールがシュー
マンの「序曲、スケルツォとフィナーレ」op.52 のスケルツォ。

とにかく、おもしろい演奏会でした。ティンパニの鳴らし方にしても、
コントラバスの配置にしても、金管の配置にしても、私にはとても
新鮮でしたし、それからビブラートかけないヴァイオリンも美しかっ
たです。フレーズのふくらみ(短いフレーズの中での、極端な強弱
の変化)は古楽オケを思い出させました。そのフレージングの、シャー
プだけれども美しいのびやかさは、まるでエンタシスの美しい柱の
ようでした。

(つづく)

そんなこんなで、シューベルト。 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 23:26:59 JST
ところで、ロッシーニとはまったく関係ありませんが、バルトリっ
て、シフのピアノ伴奏でベートーヴェンやシューベルトのリートの
CDを出していたのですね。まったく知りませんでした。というか、
シフがシューベルトのリートの伴奏のCDを出していたのは知らな
かったので、ちょっと興味深いなあと思いました(しかも、バルト
リの伴奏)。

# D.510, D.738,D.737, D.528, D.688-1,2,3,4, D.76, D.767

さて、あしたはいよいよ、ノリントン指揮、シュトゥットガルト放
響の東京公演、シューベルトのグレイトです。ど、どーゆー、演奏
になるのでしょうか。楽しみです。ノリントンのグレイト、古楽器
オケの演奏はFMで聴いたことがありますが、モダン楽器のオケの
は聴いたことがないので、楽しみです。

ロッシーニの本(その3) 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 23:20:18 JST
(つづき)

伝記というよりは、どちらかというと文芸史的な本かもしれません。
マルセル・ブリオンの『シューマンとロマン主義の時代』(これは
本当におもしろかった!)が文芸史的な本でありながら、それ自体
が格調高い文芸作品として成立していたことと似ているかもしれま
せん。ブリオンはロマン主義の視点から、シューマンの音楽と、シュー
マンが用いたテキストと、さらには当時のロマン主義文学を語って
いますが、それと同じように、ニコラーオはロッシーニをダンディ
ズムの視点から語っています。(スタンダールやバルザックらを引
用しながら。当時はイギリス、フランスでダンディズムが大流行し
たそうで、その流行の先端にいた1人がロッシーニだったとか。)

ということで、読みはじめたら、とてもおもしろくて、一気に読み
終えることができた本でした。19世紀のヨーロッパの文芸や思潮
に興味のある方にはおすすめの1冊です。

ロッシーニの本(その2) 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 23:19:50 JST
(つづき)

しかし、何がおもしろいって、この本、ロッシーニを軽薄な流行歌
劇作家として描いていない点がおもしろかった。現実世界のあれや
これから自分を守るために、いくつもの仮面をかぶって、決して人
に本当の顔を見せない、繊細で、少しナゾめいたロッシーニ。

これは意外でしたが、それと同時に、「そうかも」とも思えました。
ドタバタ喜劇の「セビリアの理髪師」なんて、深読みすれば、強欲
な人たちをチクリと刺している、ちょっときわどい風刺劇として受
け取ることもできます。しかも、音楽はどことなくモーツァルトの
パロディのようにも聴こえますから、なんだか、妙にうれしい(^^ゞ

実際、ロッシーニはバッハとハイドンとモーツァルトを崇拝してい
たそうですし、少年時代はあまりにもドイツ音楽に傾倒していたの
で、「ドイツ坊や」とまで呼ばれていたとか。けれど、たとえば、
ベートーヴェンやシューベルト関連の本に登場するロッシーニは、
軽薄な作品を書いた作曲家として扱われています。私もそういうイ
メージを持っていましたが、これはこの本を読んで考えを改めまし
た。(ちなみに、ヴァーグナーはロッシーニを高く評価していた、、、
とかと、この本にあります。)

(つづく)

ロッシーニの本(その1) 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 23:19:25 JST
みなさん、こんばんは。

さて、今度は最近読んだ音楽の本。

@マリオ・ニコラーオ『ロッシーニ 仮面の男』小畑恒夫訳、音楽之友社、1992。

--------------------

ロッシーニは美食家としても有名ですし、若いうちにオペラ作曲家
として大成功して、ある時からはオペラをまったく書かずに、食い
道楽三昧の日々を送った不思議な作曲家というイメージを持ってい
たのですが、考えてみたら、私はこの人の伝記を全然知らないこと
に気がつきました。

チェチーリア・バルトリがロッシーニの同じタイトルの歌曲を何曲
か歌っているとかときいたので(私はこの歌曲を聴いたことがあり
ません)、「はてな」と思ったのがロッシーニの伝記を読んだきっ
かけでした。ロッシーニはメタスタージオの同じテキストを使って
20回も歌曲を書いた(同じ歌詞の20もの異なる旋律の歌曲があ
る!)そうなのですが、どうしてそんなに1つの歌詞にこだわって、
作曲し続けたのかなーという素朴な疑問から。

結局、この本を読んでも具体的な理由ははっきりわかりませんでし
たが、晩年のロッシーニが政情の不安定な時代に生きたこと(移住
する先々で内戦や革命が起きるため、ロッシーニはまたほかの土地
に移り住まなくてはならなくて、落ち着かない年月を長いこと送っ
たらしい)、あるいは、友人や家族が次々に亡くなったことなどが
関係しているのかな、というような示唆は示されていました。(こ
の歌曲については研究書が出ているようです。翻訳はされていない
ようですが。)

(つづく)

「王は踊る」(その3) 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 12:56:09 JST
(つづき)

この映画ではリュリもルイ14世もなかなか複雑な人として描かれ
ていて、人物描写についても奥行きを感じることができました。リュ
リは野心家で、出世のためなら手段を選ばないタイプとして描かれ
ていました。しかし、リュリの「出世欲」は自分の「野心」のため
ではなく、ルイ14世を崇拝するがゆえのものなのかなと思えまし
た。ルイ14世のために作曲し、演奏することに命をかけた生涯で
す。

ルイ14世は寛大で無慈悲、熱狂的でクール、無力でありながら絶
対的、、、と、とても矛盾した人物で、これが非常におもしろかっ
たです。それから、映画には劇作家のモリエールも登場しました。
リュリと2人で舞台を作っていく様子がおもしろかったのですが
(でも、あのあたり、どのくらい史実に忠実なのかはわかりません)、
モリエールを演じていた役者がまた良かったです。

この映画のサントラ盤を買いましたが、こちらもよいです。サント
ラはドイツ・グラモフォンから。ゲーベル指揮、ムジカ・アンティ
クヮ・ケルン。踊る王様お抱えの作曲家だからかもしれませんが、
リュリの作品、エネルギッシュで躍動感あふれています。
         ( Deutsche Grammophon [UCCG 1057] 国内盤)

「王は踊る」(その2) 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 12:55:41 JST
(つづき)

リュリといえば、指揮している時に自分の指揮棒で足を突き刺して
しまい(当時の指揮棒は巨大な杖みたいなもので、それで床を叩い
て指揮したと言われています)、そのケガがもとで壊疽か何かになっ
て亡くなったと言われている人です。最晩年の、指揮棒で足を突き
刺してしまう、その悲劇的な演奏会のシーンから映画がはじまりま
した。老リュリがケガをしてから亡くなるまでの間に、自分と王の
若い頃のことを回想する、というような趣向です。

リュリの作品がたくさん使われている映画で、あらすじを考えなが
ら観るというより、リュリの音楽を聴きながら美しい映像を見るこ
とに耳と目が先走る、そういう映画だったと思います。「カストラー
ト」もそういう映画でしたから、視覚的な部分と聴覚的な部分に、
とても鋭いものを持っている監督なのでしょう。映画の効果をあげ
るために音楽を使うのではなくて、映像と音楽の一体化をねらって
いるというようにも見えました。

(つづく)

「王は踊る」(その1) 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 12:55:15 JST
さて、最近(でもないけど)観た音楽映画。

ジェラール・コルビオ監督「王は踊る」(2000年)
http://www.herald.co.jp/movies/leroidanse/

コルビオはファリネリを主人公にした映画「カストラート」の監督
ですが、そうとは知らず、いや、それどころか、「ルイ14世の映
画らしい」という予備知識しかない状態で観に行きました。
(確か、最終上映日だったので急いで行ったのです。)

「カストラート」をご覧になった方は、あの映画のセットと衣装の
豪華さ、美しさ、たっぷり使われた音楽のすばらしさにきっと強い
印象を持たれているのではないかと思いますが、この「王は踊る」
も美術的にも音楽的にも凝った作品でした。太陽王ルイ14世とい
えば、「絶対主義」とかというような世界史用語を思い浮かべます
が、この映画で描かれている若かりし頃のルイ14世は政治的には
無力です。権力は母親とその愛人一派が握っているからです。まあ、
典型的な「傀儡幼君」と言ってもいいのかもしれません。若いルイ
14世が熱中したのは政治ではなく、バレエと音楽でした。作曲家
のリュリを重用して、自分のバレエのために曲を書かせます。この
青年ルイ14世と青年作曲家のリュリとのかかわりを描いたのが
「王は踊る」でした。

(つづく)

Re: 皮肉なことに 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 11:01:59 JST
小島さん、こんにちは。
朝比奈さんのご回復を心の底からお祈りしております。入院なさっ
たというニュースをきいて、都響のCD(グレイト、ブル7)を2
枚聴いて、ご回復をお祈りしました。

11月19日はシューベルトの命日。 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 10:38:31 JST
今朝聴いたシューベルトはカルロス・パイタ指揮、ロイヤル・フィ
ル(1987)の「グレイト」です。(Lodia[LO-CD 788]輸入盤)

久しぶりに聴きましたが、記憶にある以上にすばらしい演奏だった
のでボーゼンとしました。全体に線の太い、メリハリの強い演奏で
すが、特に第4楽章の木管の繊細さと金管の豪快さ、その対比の絶
妙さにはコーコツとしました。木管の歌のしなやかさ、明るさは宇
宙的規模の感動ものです。ま、どなたの指揮の演奏を聴かせていた
だいても、宇宙的規模の感動なんですけど。 ( ← びょーき ^^)

皮肉なことに 投稿者:小島 忠司  投稿日:Sat 17 Nov 2001 10:33:46 JST
ととろおさん。ごぶさたしています。
さて、朝比奈御大の入院騒動のあおりで、大変皮肉なことになってしまいました。
それは、この掲示板でもよく話題になっていた、シューベルトの
「ザ・グレイト」を演奏会で初めて聴くことになったのです。
(指揮 外山雄三氏)
正直言って、大変複雑な心境です。
今回の演奏会では、ブルックナーの「ワーグナー交響曲」をお目当てでチケットを買ったのに。確かに「グレイト」もライヴで聴きたいと思っていました。しかしこれが実現した理由が御大の入院騒動にあるから、素直に喜べないなのです。
もしもととろおさんが、小生の立場に置かれたら、どう思われますか。

なぜかムソルグスキー・ブーム到来。 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 10:16:37 JST
5) ブレンデルとプレヴィンの「展覧会の絵」

ピアノ版とラヴェル編曲オケ版のカップリングです。ベルマンとジュ
リーニのカップリングも買ってきましたが、これはまだ聴いていま
せん。ブレンデルはもっと「燃えない」、クールな演奏を予想して
いましたが、私が予想していたよりはでろでろ(?)燃えている、
絢爛な演奏でした。(ピアノの音がすばらしく美しい)

でも、ブレンデル以上にびっくりしたのがプレヴィンさん! こち
らは例によっての、色彩豊かな、絢爛たるものを想像していたのに、
予想外にどろどろしていたので驚きました。(ウィーン・フィル)

りひてるぅ〜。 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 10:15:52 JST
4) リヒテルのライヴ録音いろいろ

ベートーヴェンのソナタいろいろ、シューマンのウィーンの謝肉祭
(op.26/1976 Moscow)、ショパンとかドビュッシーとか「展覧会
の絵」とか(1958 Budapest)、ベートーヴェンのコンチェルト3
番(アーベントロート指揮!)など。これは大量に聴いたのでいち
いちどれがどうとあげませんが、アンコール演奏かなと思われるショ
パンのエチュード op.10-4(1976 Moscow)は、聴いていてアタマ
の中が真っ白になった迫力ある演奏でした。ショパンがここまでデ
モーニッシュな音楽になるとは、という驚き。それから、この人、
なんとアンコールでヴァーグナーの小品も弾いていました。ヴァー
グナーのピアノ曲をリヒテルが、というのは、クララ・シューマン
のリートの伴奏していたライヴ録音に次ぐ「珍品さん」かも、とか
と、1人で大コーフン(^^ゞ

ゲンリヒ・ネイガウスとスタニスラフ・ネイガウスの連弾によるモーツァルト。 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 10:15:22 JST
3) ネイガウス(父)のバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン
   ネイガウス(父子)のモーツァルト
   (TALENTS RUSSIA [RCD 16244]輸入盤)

 バッハ(平均律集第1巻から前奏曲とフーガ 13番〜18番/1952)
 モーツァルト(ロンド K.511/1950)
 モーツァルト(2台ピアノのためのソナタ K.448/1950)
 ベートーヴェン(ソナタ 第24番 op.78/1952)

さて、あまり見かけないネイガウス(父)のCD。たまたま見つけ
て入手できたのですが、これはもう本当にすばらしい1枚です。バッ
ハは絶品ですし、モーツァルトのK.511の美しさも格別です。ベー
トーヴェンも流麗で上品な演奏ですし、その音の美しさは本当にす
ばらしいのですが、でも、このCDで一番美しいのは父子で弾いて
いるK.488だと思いました。(せがれと連弾しているとは気が付か
ずに買ったのですが、これは買って良かったです。)

エトヴィン・フィッシャーのシューベルト。 投稿者:ととろお 投稿日:Sat 17 Nov 2001 10:14:33 JST
みなさん、こんにちは。

今日は最近、聴いたCDなど。

--------------------

(1) エトヴィン・フィッシャーのシューベルト(その1)
  (Pearl [GEMM CD 9216] 輸入盤)

 「さすらい人」(1934.5.22-24)
 即興曲集 op.90(1938.3.8)、即興曲集 op.142(1938.3.9-8)

(2) エトヴィン・フィッシャーのシューベルト(その2)
  (TESTAMENT [SBT 1145]輸入盤)

 即興曲集 op.90, op.142(その1と同じ音源)
 「楽興の時」(1950.5.18)

しばらく前はブレンデルの若い頃のシューベルトばかり聴いていま
したが、ここ2週間ほどはE・フィッシャーにブームが移行してい
ます。やはり即興曲集がすばらしい。「即興曲集」は同じ音源かな
と思いつつ入手した TESTAMENT のCD、やはり同じ音源だったの
ですが、こちらには「楽興の時」が収録されています。これもすば
らしいけれど(もちろん「さすらい人」も!)、この中で私が一番
気に入っているのが、op.142の第4曲です。音の美しさもさること
ながら、シューベルト特有のはかない天国性と、悪夢のような疾風
怒濤の対比が見事に描かれています。とても劇的です。聴くたびに
トリハダが立ちます。これも、とても怖い音楽です。

ラトルの記事。 投稿者:ととろお 投稿日:Wed 7 Nov 2001 17:43:52 JST
asahi.com に出ています。

homepage: http://www.asahi.com/culture/update/1107/001.html


冷静になって、 投稿者:ととろお 投稿日:Tue 6 Nov 2001 21:53:04 JST
1つ下の私の書き込みのブレンデルの曲目を見てみれば、
結局、ブレンデルが弾いた曲、全部ということみたいです(^^ゞ

Re: ブレンデル@大阪 投稿者:ととろお 投稿日:Tue 6 Nov 2001 21:48:19 JST
フランチェスカさん、こんばんは。

確かに何か強烈な事件やトラブルがあった日や、とても大きな心配
事などがある時は、どんなにすばらしい演奏会に行っても、集中し
て聴くことが難しいですね。でも、あまりにも受けたショックが大
きいと、集中とかということではなくて、その演奏会に行ったこと
で救われたりすることもあります。人間の心は本当に難しいですね。
頭痛はおさまりましたか? お大事に。

私は2回聴いたうちではハイドンに特に感銘を受けました。あんな
に美しい演奏、もう2度と聴けないかもしれません。あのハイドン
は一生の宝物です。それから、オペラシティではモーツァルトのソ
ナタに深く感動しました。横浜ではベートーヴェンのディアベリ。
あのベートーヴェンは至宝です。それに、ウィーン・フィルとのベー
トーヴェンのコンチェルト(4番)は大感動でした。そして、アン
コールのシューベルト! シューベルト、1曲だけじゃなくて、4
曲全部聴かせてくれぇ〜と客席でのたうちまわっていたのは(?)、
私だけではないと思います。

ということで(?)、今日のCDはシューベルトの作品集。ペーター・
マーク指揮の交響曲第4番、ペーター・シュマルフスのピアノでワ
ルツ(op.9)の抜粋、メロス四重奏団で弦楽四重奏曲第1番、シュ
マルフスのピアノでレントラー(op.171)の抜粋、イェルク・フェ
ルバー指揮ヴュルテンベルク室内管弦楽団の演奏で「5つのメヌエッ
ト」。地味な選曲ですが、よいです。

ブレンデル@大阪 投稿者:フランチェスカ 投稿日:Mon 5 Nov 2001 23:08:34 JST
ととろおさん、こんばんは〜

先日、ブレンデルの大阪公演行ってきました。
当日、お昼に色々あって演奏中その事ばかり頭をよぎり
頭痛がしていたため、食い入るようには聴けなかったのですが
「完璧」な印象が後に残りました。
「ああ、これがブレンデルか…」という感じで、ただただ
流れる音に身を任せておりました。
アンコールはなかったです、やはり…
兎も角、巨匠の演奏、耳にする事が出来て良かったです。

追記。 投稿者:ととろお 投稿日:Mon 5 Nov 2001 01:01:38 JST
ルプーのアンコールの最後の曲はヤナーチェクの「草かげの小径から」でした。
(最後までシューベルトが続くかと思ったけれど、さすがに最後は違った^^)

ルプー、ブレンデル、シューベルト。 投稿者:ととろお 投稿日:Mon 5 Nov 2001 00:45:35 JST
みなさん、こんばんは。

今日はサントリーホールにルプーのリサイタルを聴きに行ってきま
した。予告されたプログラムにはなかったシューベルトのop.90-1
からはじまり、ベートーヴェンのソナタ第27番、エネスコのソナ
タ第1番、休憩の後はシューベルトのソナタ第19番(D.958)。

やはりシューベルトが圧倒的でした。静けさの中でひっそりとささ
やくように歌っていたかと思ったら、突然、嵐が吹き荒れるように
恐ろしい世界に連れて行かれました。シューベルトのソナタはどな
たのピアノで聴いても怖い音楽です。

アンコールはシューベルトのD.664の第2楽章とop.90-4でした。私
はルプーのCDではD.664が特に好きなのですが(この曲はデーラー
のフォルテピアノで聴いても号泣ものです)、今日のアンコールに
はただただ感動しました。即興曲もすばらしかったです。

先週はウィーン・フィルとブレンデルのベートーヴェンのコンチェ
ルト(4番)を聴きました。これがどれだけ感動的な演奏だったか
は、ちょっと簡単には語ることができません。5番ではなく4番だっ
たからこその、あの境地、、、という言葉で察してください(^^ゞ

ウィーン・フィルの時のブレンデルのアンコールがシューベルトの
op.90-3でした。これは死のにおいと森の樹脂の匂いが夜の湿った
空気に漂ってくるかのような(?)、まったく不思議で奥深いシュー
ベルトでした。ほとんど哲学の世界。ベートーヴェンとはまた違っ
た、深い感動がありました。

これで12月にいらっしゃる内田さんがリサイタルのアンコールで
シューベルトのop.90-2をお弾きになったら、op.90の「チクルス」
完成(?)  (というか、メインで4曲全部聴きたいです^^)

一昨日、横浜のブレンデルのリサイタルも聴いてきました。オペラ
シティと合わせて同じプログラムを2回聴いたことになりますが、
とにかく、圧倒的な名演でした。完璧に自分の世界を構築して、そ
の中に没頭する集中力はすばらしいです。聴く側は演奏者のその集
中力に引き込まれて、別の世界に連れていっていただけるのだなと
感じました。

ということで、今日のCDはルプーに敬意を表して、ルプーの弾く
シューベルトのD.664です。(カップリングはD.960)
top