台風といえば天災 投稿者: Abegg 投稿日:23 Aug 2001 13:37:16
(前文略)
サラサーテの録音は、ツィゴイネルワイゼンだけ聴いたことありますが、鮮やかなものですよね。
バッハのプレリュードは聴いたことないのですが、ハルトナックの本が、この録音ひとつについて
2段組の1ページを割いて叙述しているので、存在は知っていました。
曰く、、、
サラサーテのテンポは息もつかせぬぐらい速く、
楽譜を眼で追うことができないほどである。(笑)
……一陣の風のごとくかすめて過ぎ去り、純粋に印象だけを残して終わる。…
ヨアヒムの録音は持っています。
1903年、ヨアヒム73歳の録音ですが、彼の音色と演奏スタイルを聴き取ることもある程度可能です。
流暢とはいえませんが、エネルギーに満ち、威風あたりを払うような格調高さがあります。
サラサーテの演奏とはさまざまな点で対照的対極的で、この2人が当時、ヴァイオリン界の両雄だった
だったことが肯けますね。
超絶技巧家として鳴らしたヴァイオリニストの一人ブルメスターは、もともとヨアヒムの弟子でしたが
ヨアヒムは、彼を「才能の無い生徒」として門下から追い出してしまいます。ブルメスターは、転じて
サラサーテの弟子になるのですが、その仲介をしたのは他ならぬヨアヒムだった、という逸話が
あります。ハルトナックによれば、ブルメスターの自伝は、ヨアヒムの弟子であった時代から
技術的には自分は先生をはるかに上回っていたと告白する一方で、ヨアヒムに対する感謝を何度も表
明している、ということです。
ヨアヒムに代表される古いドイツ流派の奏法は、その独特の深い、底光りのするような音色を楽器から
引き出すことを優先し、合理的なテクニックを犠牲にしているところがあります。
パガニーニのカプリースが弾けなくても、最高のベートーヴェンのコンチェルトを弾くことは
可能なのです。しかし現代では、カプリースが弾けないことには音楽学校にも入れません。
ヨアヒムの孫弟子にあたるクーレンカンプとブッシュは、ヨアヒムの奏法を受け継いでいて、
この3人の音色と演奏スタイルには通い合うものがあると思います。
しかしながら、彼らの不合理なる奏法は、皮肉にもやはりベルリンの教授となったフレッシュの新し
い、合理的なメソッドによって駆逐されてされてしまいました。クーレンカンプもブッシュもベルリ
ンの教授を勤めましたが、彼らの奏法を受け継いだ人で世界的なソリストになった人は一人もいません。(フレッシュの弟子たちの活躍は言うまでもありません。)
…とまあ、世の中いろいろあるものです(笑)。
それではまた〜。
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